コントローラーを自作する

            ~~ はじめに ~~ 

市販のコントローラー、完成品であれば安くても3,000円以上はします。
 まして常点灯対応のコントローラーとなれば、安売りの量販店でも7~8,000円は下りません。
 ならば自分で作ってみようとネット上をいろいろ調べ、手始めに他の方の回路図を参考に組んでみました。
 部品代約\2,000ちょっとのコントローラーですが、常点灯もスロー走行も満足のレベルです。
 特に不満はありませんでしたが、電子回路で遊んでいるうちに自分で作ってみようと組んでみました。

※ 参考ページ ~沖縄電気鐵道-浦添線-量産型PWMパワーパックVer.2~
http://www.geocities.jp/k_otani3/working/working_02.html


 完成したコントローラーは室内灯が停車時も点灯し、低速走行時も安定してスロー走行も満足のレベルです。
 特に不満はありませんでしたが、電子回路で遊んでいるうちに、今度は自分で回路を作ってみようとチャレンジしてみました。

            ~~ オリジナルコントローラーに挑戦 ~~

 基本的な部分はLM555というタイマーICを使った、ごく一般的な「無安定マルチバイブレーター回路」です。
 2つの抵抗とコンデンサの組み合わせで、タイマーICが出力する周波数とDuty比(1周期内のOn・Offの比率)を決めます。
 ICのデータシートに書かれた回路図ではDuty比が50%までしか下がらないので、モーターを止めることが出来ません。
 下記の回路図、改良VerではRBの部分にダイオードを入れ、一方の電流をショートカットさせることで、Duty比が50%以下になるようにしています。

ICのデータシートより

周波数=1.44/(RA+2RB)*C1
 Duty比=RB/(RA+2RB)
改良Ver

周波数=1.44/(RA+RB)*C1
Duty比=RB/(RA+RB)

パーツ一覧は以下の通りです。

抵抗10KΩ2個マルツでバラ売りを購入 1個5円
電解コンデンサ10uF1個秋月電子にて 1個 10円
積層セラミックコンデンサ33pF
100pF
0.1uF
2個
1個
2個
秋月電子にて 20個 100円
秋月電子にて 20個 100円
秋月電子にて 10個 100円
ダイオードショットキーバリア 40V1A
汎用スイッチング 60V150mA
1個
1個
秋月電子にて      30円
秋月電子にて 50個 150円
タイマーICタイマーIC LMC5551個秋月電子にて  5個 100円
MOS-FET2SK22321個秋月電子にて     100円
ポリスイッチ0.65A1個秋月電子にて      50円
可変抵抗100KΩ
500KΩ
1個
1個
秋月電子にて   各 50円
ACアダプタ12V1A1個秋月電子にて     600円
ACアダプタコネクタ1個秋月電子にて      40円
2回路2接点トグルスイッチ中Offタイプ1個秋月電子にて     100円
基盤
導線
ケース
ダイヤルつまみ etc

パーツの配置は以下の通り


1 抵抗値が0KΩになるとタイマーICに負荷が掛かり破損する可能性があるので、可変抵抗の前後には10KΩの抵抗を取り付けています。
2 モーターの個体により回転が止まるDuty比が異なるので、調整用の可変抵抗(100KΩ)を加えます。
3 周波数を決めるコンデンサ C は 100p+33p×2 の並列で166pFとなります。
4 タイマーICの出力では電圧が低いのでモーターを回せません。
   ICの出力でFETのスイッチをOn・Offして、電流を制御してモーターを回します。
5 タイマーICにノイズが入り込むと誤動作に繋がるので、整流用のコンデンサを加えます。
6 出力側にも逆電流を制御するためにダイオードを入れます。
7 ショートした際に過電流が流れないよう、ポリスイッチを入れます。
  ポリスイッチは12V1AのACアダプタを想定し、0.65A(1.3Aで遮断)を使いました。
8 最後に出力方向切り替えのスイッチを取り付けて完成です。


 出力の周波数は =1.44/(10K+VR1+VR2+10K)*C1  計算上は 16.68Khz~13.99Khz です。
 Duty比は (VR2b+10K)/(10K+VR1+VR2+10K) となります。
 周波数の特性上、モーターによってはハウリングの高周波音が気になるかもしれません。
 その場合は33pのコンデンサを1つ外してみてください。


 で、完成したコントローラーはこちら。
 見た目はともかく・・・・・非常に満足しています。